これまでの標準治療では対処できない難治性がんに対して、近年免疫チェックポイント阻害剤が使用されているものの、その奏功率は20%程度でしかない。
極めて高価な薬剤であるがために、上記20%に属する有効性が期待される患者を選んで投与したいものの、効果的なバイオマーカーが存在しなかった。
精力的な研究がなされ、最近では腸内細菌叢のパターンや多様性が免疫チェックポイント阻害剤の有用なバイオマーカーになると認識されつつある。
本研究では、腸内細菌叢の一部が口腔細菌から構成されることに着目し、全国でもトップクラスの難治性泌尿器がんに対する長期奏功症例数を保有していたことから、口腔-腸管相関の視点に立ち、免疫チェックポイント阻害剤の奏功・非奏功に深い関連性を有する口腔内細菌および腸内細菌を同定することができた。
本成果が将来、医療経済の改善に少しでもつながればと願っている。