看護学科原田耕志教授が第一著者の「Effects of aged garlic extract may differ between normal cells and cancer cells」がBiomedical Reportsに掲載されました。

Aged garlic extract (熟成ニンニク抽出液)には、滋養強壮効果、疲労改善作用、血流改善作用、抗酸化作用、睡眠の質を向上する効果などが報告されています。
また複数の集団研究の結果から、ニンニクの摂取量増加と特定の癌腫(胃癌、結腸癌、食道癌、膵臓癌および乳癌など)のリスク減少との間に、相関があることが示されています。
興味深いことに、米国国立衛生研究所(NIH)の一部門である米国国立癌研究所(NCI)は、癌予防としていかなる栄養サプリメントも推奨していませんが、ニンニクを、抗癌特性を持つ可能性のある野菜の一つとして認めています。
そこでわれわれは、熟成ニンニク抽出液が正常細胞と癌細胞では作用が異なるのではないかと考えて検討を行いました。その結果、同じ濃度の熟成ニンニク抽出液が正常細胞に対しては増殖を促進し、その一方で癌細胞に対しては増殖を抑制し、癌細胞死を誘導する可能性を明らかにしました。
元来、天然由来成分に対してわれわれは安心・安全なイメージをもっていますが、キョーリョウピン等で知られる熟成ニンニク抽出液が、正常細胞の増殖を促進し、がん細胞の増殖を抑制するのであればまさに理想的と言えます。
なお上記内容の一部は昨年度ドイツ、ミュンヘンで開催された国際ガーリックシンポジウムで報告しました。