谷口 紗織さん
修了生からのメッセージ
夢を叶えた修了生
笑いあり、涙ありの充実した2年間でした。
言語聴覚士を志し専攻科に入学したきっかけ
作業療法士として在宅生活を支援するにあたり、ご家族やご本人様から「食事が食べにくくなり、どうしたら食べてくれるだろうか」「もう少し家族で会話を楽しみたい」という相談を受けることが多かったです。私の住んでいる地域では言語聴覚士の人数が少なく、相談できる場所も限られていた為、自分の心の中で日々このままで良いのかと葛藤を送っていました。生活に必要な「食事」「コミュニケーション」について、より専門的な知識を得て地域に貢献できるセラピストになりたいと思い専攻科に入学しようと決意しました。また、ハローワークからの給付制度が利用できたことも決め手となりました。
学生生活で楽しかったこと・苦労したこと・悩んだことを教えてください。
楽しかったこと
同じ志を持つクラスメイトと一緒に勉強した毎日は本当に楽しかったです。経験豊富で熱心に教えて下さる先生方をはじめ、外部の先生方から専門的な授業を受けられて、言語聴覚士の世界も幅広くて面白い、でも時折難しい、奥深いと感じました 。
また演習の授業では先生方のつながりから当事者の方々と関わらせて頂く貴重な時間も作って下さり、座学だけではイメージしにくい部分をより理解につなげられるところも学びの魅力でした。6期生のみんなで卒業できるようお互い支えあいながら過ごす日々は笑いあり、涙ありでとても充実した2年間でした。先生方やクラスメイトには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
苦労したこと・悩んだこと
新しい知識を学ぶことは楽しかったのですが、履修科目が多く、1つ1つを覚えることよりも、学んだ知識をつなげて理解していく過程で悩みが深まることが多かったです。心のゆとりがなくなってくると「私でやっていけるのかな」と不安になり、落ち込むこともありました。先生方に相談しながら駆け抜けた2年の中で、常に自分自身と向かい合い、こんな自分でも良いのだと許し受け入れることができるようにもなり、人として成長できたと今は思います。
また、最後の難関である国家試験勉強は一番苦しかったです。先生方にたくさん相談したり、口頭試問を受けに行ったりしましたが、模擬試験で結果が出し切れず不安な日々でした。そんな自分に先生方から沢山のアドバイスを頂き、コツコツと勉強に取り組みつつ、一番の課題である「体調を万全にして臨む」ことを心掛けました。
2年間という履修カリキュラムについて思うこと
大変でしたが、私の年齢的にも2年間という短期間で集中してカリキュラムを履修できたことは良かったと思っています。朝は9時から、夕方は遅くて18時過ぎまでびっしりとカリキュラムが組まれていて、土曜日も授業があります。課題やレポートも1年目から沢山あります。2年間という短い期間で、計画性を持ちながら取り組むことが必要と感じました。私は家だと携帯やテレビなどの誘惑に負け集中できない為、授業終わりの教室や自習室、教材室などで勉強していました。自分にとって集中できる環境を早めに整えておくことが大事だと思います。
自身の就職活動について実践したこと
私は成人分野でまた働きたい、摂食嚥下分野の専門性を高めたいという思いから、回復期から生活期まで幅広く学べる病院を探していました。 先生方と相談し、就職ガイダンスや就職説明会を利用して情報を集めました。説明会の時は積極的に質問するように事前に病院のホームページやSNSなどをチェックしていました。
自身の国家試験対策について振り返って思うこと
苦労したことにも載せていますが、私は得意と感じる科目と苦手と感じる科目がはっきりと分かれており、模擬試験の各科目の結果は棒グラフで凹凸が激しかったです。得意な科目は現状維持しつつ、できる限り凸凹が平に近づけるように、先生方にアドバイスを頂き、口頭試問を受け、家のあちらこちらに確実に覚える内容を貼り、その内容を声に出しながら問いていました。また、わからない問題はわからないままにせず、先生や学生間で問題をシェアして自分がきちんと理解しているかアウトプットをする機会を作っていました。そんな毎日を過ごしていると心が疲弊してくるので、「今日は休む日」を設けてリフレッシュする時間も作りました。国家試験が近づくにつれ「もう少し早めに取り掛かっていれば…」などたらればを述べることもありましたが、頑張ってきた自分は自分が一番側で見てきた、前を向いて全力で走るだけ!と気持ちを奮い立たせていました。
現在の職場について
私は現在、メリイホスピタルで言語聴覚士として勤務しています。
当院は、広島県の安佐南区にある102床の回復期リハビリテーション病棟をはじめ、地域包括ケア病棟、通所・訪問リハビリテーションなど、幅広い分野に対応している病院です。対象となる患者様は脳血管疾患、神経・筋疾患、廃用症候群、認知症など多岐にわたります。摂食・嚥下障害や高次脳機能障害、失語症、構音障害、認知機能障害など複数の障害が重なる方も多くいらっしゃいます。
メリイホスピタルは、私が2年次の臨床実習でお世話になった病院でした。先輩方はとても優しく、親身になって相談にのってくださいます。新人研修や院内研修、プリセプター制度など育成体制が整っており、学びながら安心して働くことができています。
現在は回復期病棟で勤務しており、毎日忙しく大変なこともありますが、患者様に笑顔になっていただけるよう努めています。これからも経験を積み重ね、専門性を高めながら、私らしい支援ができる言語聴覚士を目指していきたいです。

これから学びを深める専攻科の学生へメッセージ
新しい世界に飛び込んだ先が不安でいっぱいの方やわくわくしている方様々だと思います。まだ見えない先々のことを不安がるより、今目の前の物事に一生懸命取り組んでいる自分のことを「頑張っている!えらい!」と声をかけてあげて下さいね。そして、出会えた先生方やクラスメイトとのご縁をどうか大切になさって下さい。先生方は全力でサポートして下さいますし、苦労を共にするクラスメイト同士だからこそお互い支えあうことができると思います。分からないことは分からないとはっきり声に出していいんです!(無理に声に出さなくてもいいですよ)年齢なんて関係ありません。
分かった!と理解できた時の方がより学びも楽しくなると思います。
2年前の春に勇気を出して新しい道を歩もうと決意した自分は間違ってなかったと、胸を張って誇れる自分がいます。私の学生時代の経験談になってしまいましたが、少し でも皆さんの背中を押せていたら嬉しいです。

