科目コード
R7039
授業科目名
音楽療法
担当者
粟野 真湖
対象年度
2024
履修区分
選択
開講期
2年
前期
授業回数
8回
単位数
1単位

授業の概要
音楽とは言葉に頼らないノンバーバルなコミュニケーションを可能にしてくれるツールであると考えます。本講義では音楽の持つ力を活かした音楽療法の目的や特徴を理解し、医療現場における役割と意義について幅広く考えていきます。多岐に渡る音楽療法領域に触れる中で、理学療法および作業療法において応用可能な療法的音楽の実践方法について紹介します。また、音楽の持つ力や病を抱える人の心の在り方(例えばスピリチュアルペイン等)について深く掘り下げて考え、音楽は人の心にどのように働きかけることができるか、音楽の可能性について考えていきます。
DPとの関連
①平和を希求する心と豊かな人間性を身につける
②修得した専門知識・技術を基盤にした総合的臨床能力を身につける
③高い倫理観をもち、自己を変革しつづける能力を身につける
④地域社会・国際社会と協働し、人々の健康生活のニーズに対応できる能力を身につける
※DP:ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)=卒業までに身に付けるべき資質・能力
到達目標
音楽療法の概要や専門的な知識を理解することで、臨床現場のどの場面でどんな音楽を活用するのが効果的であるかイメージできるようになる。
音楽ジャンルや楽曲を幅広く知ることで、適切な音楽選択・最適な音楽提供ができるようになる。
音楽を媒体とした対象者との非言語コミュニケーションとはどのようなものか理解できるようになる。
履修上の注意事項
楽器活動等、実際のセッションを体感してもらう機会を作っていきます。積極的に参加して下さい。
授業計画
回数 講義内容【担当教員】 事前・事後学修
1 イントロダクション ・人と音楽の関わりとは ・音楽が人に与える影響 ・音楽療法とは 自分にとって音楽とはどのようなものか考えをまとめる。
2 音楽療法概論 ・音楽療法の歴史 ・音楽療法の生理的・心理的・社会的機能 療法的視点で自らの生活に音楽を当てはめて考えてみる。
3 音楽療法のアプローチ方法 ・身体的アプローチ ・心理的アプローチ ・社会的アプローチ ・医学的アプローチ 音楽以外でのアプローチ方法と音楽を用いた場合のアプローチ法の違いについて考える。
4 多領域の音楽療法① ・児童への音楽療法 ・精神科領域の音楽療法 ・能動的音楽療法 児童領域や精神科領域の音楽療法の特徴についてまとめる。
5 多領域の音楽療法② ・高齢者への音楽療法 ・様々な音楽ジャンルの理解 ・受動的音楽療法 高齢者領域の音楽療法の特徴をまとめる。
6 医療領域の音楽療法 ・緩和ケアの音楽療法 ・神経難病の音楽療法 ・総合病院での音楽療法 医療行為以外にどのようなケアが必要か想像し、音楽が役立つ場面について考える。
7 スピリチュアルペインと音楽 ・スピリチュアルペインの構造 ・心に触れる音楽 ・自己の再統合・再構築 目に見えない痛みについてどのようなサポートが可能か考える。
8 音・音楽・音楽療法について ・音楽療法の可能性 ・作業療法と音楽療法 ・総論 音楽の持つ可能性について自分なりに感じることをまとめておく。
成績評価方法
事前事後課題30% 授業内活動30% 最終レポート40%
ただし、受験資格を満たしていない場合は評価の対象としない。
教科書
書名・著者(出版社) ISBNコード
資料を配布する
参考書
書名・著者(出版社) ISBNコード
音楽療法を知るーその理論と技法ー 宮本啓子・二俣泉(杏林書院) 9784764405325
教員からのメッセージ
板書・暗記をする教科ではないので、授業中に話す場面や状況を想像しながら参加して下さい。音楽技術は必要ありません。これまで知らなかった音楽知識を身に着けてもらう時間となるよう共に学んでいけたらと思っています。
教員との連絡方法
①メール ②講義前後に直接話しかけて下さい。
実務経験のある教員
音楽療法士として複数の緩和ケア病棟及び神経難病を患う対象者に音楽療法を実施している教員が担当します。音楽療法の概論にとどまらず臨床経験の実際を紹介していくことで、実践に活かせる生の音楽療法を伝えていき、将来の臨床現場に取り入れられる手がかりを示していきます。