科目コード
R5032
授業科目名
病理学
担当者
達家 雅明
対象年度
2024
履修区分
必修
開講期
2年
前期
授業回数
15回
単位数
1単位

授業の概要
ヒトの疾病の原因はさまざまである。本講義では、その原因について色々な要因をヒトの体の構造と機能との関係において学修する。感染症はヒト以外の生物やウイルス、プリオンが体内で増殖する現象であり、それらの感染性生物や感染源について学ぶ。また、ヒトに備わっている防御能(免疫)についても理解し、自己免疫疾患についても学修する。更に、遺伝子異常、先天性疾患や奇形、細胞障害、炎症、腫瘍、循環障害、代謝異常を中心に病因と病態について学修する。また、老化現象や死について、そして、放射線被曝による急性障害、慢性障害についても学修する。特に、リハビリテーション学科での習得が必要な疾病の病理病態については、集中的に学修を行う。
DPとの関連
①平和を希求する心と豊かな人間性を身につける
②修得した専門知識・技術を基盤にした総合的臨床能力を身につける
③高い倫理観をもち、自己を変革しつづける能力を身につける
④地域社会・国際社会と協働し、人々の健康生活のニーズに対応できる能力を身につける
※DP:ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)=卒業までに身に付けるべき資質・能力
到達目標
本講義の達成目標は
・ヒトは細胞からなり、その異常が疾病として現れることを理解していること
・また、医学は科学のひとつの分野であり、ヒトの疾病を迷信/占いや差別や偏見等によって判断し思い込んではいけないことも理解していること
・その結果として、医学用語(特に病理学用語)の概念を理解し適切に使うことが出来るようになる
・更に、病気とその基盤となる組織・細胞・分子レベルでの現象を結びつけて考えることが出来るようになる
・加えて、感染症を引き起こす代表的な病原微生物の特徴や医療機関での院内感染等の問題に対する対処法を説明出来るようになる
・また、原爆被弾による障害についても放射線障害という観点から説明出来るようになる
・リハビリテーション学科での習得が必要な疾病の病理病態については特に理解を進める
などであり、この目的の達成度について、毎回のレポートの提出を求めると同時に、定期試験でも、この達成度が評価出来るような記述式の出題をおこなう。
履修上の注意事項
出席は学生証を忘れた場合には認めない。授業中の私語は禁止。携帯電話の使用は禁止。課題に関するレポートは必ず全て自宅学習して提出すること。未提出の課題がある場合には、定期試験は受験出来ない。
授業計画
回数 講義内容【担当教員】 事前・事後学修
1 病理学の概要、病因論 ・病理学の概要 ・病因とは ・細胞とは 病気とは何か?我々の体を作る細胞とは何か?などについて事前に調べる。(60分)
2 組織の構築と病変 ・病変の概要 ・退行性とは ・進行性とは ・組織とは 病変とは何か?我々の体を作る組織とは何か?などについて事前に調べる。(60分)
3 代謝異常(1) ・代謝の概要 ・酵素や補酵素とは ・欠乏症とは 代謝とは何か?我々の体にある酵素や補酵素、そしてそれらの欠乏症について調べる。(60分)
4 代謝異常(2) ・内分泌の概要 ・恒常性とは ・代謝調節とは 内分泌とは何か?我々の体の恒常性と代謝調節について調べる。(60分)
5 循環傷害(1) ・循環系の概要 ・血液とは ・動脈硬化とは 循環系とは何か?我々の体の血液と動脈硬化について調べる。(60分)
6 先天異常、奇形 ・遺伝の概要 ・遺伝病とは ・染色体異常症とは ・奇形とは 遺伝とは何か?ヒトの遺伝病と染色体異常症と奇形について調べる。(60分)
7 創傷治癒 ・創傷治癒の概要 ・血液凝固とは ・治癒過程とは 我々の体の血液凝固と創傷治癒について調べる。(60分)
8 循環傷害(2) ・循環器異常の概要 ・血管とは ・門脈とは 我々の体の血管と門脈について調べる。(60分)
9 免疫(1) ・免疫の概要 ・白血球とは ・抗原と抗体とは 我々の体の免疫システムについて調べる。(60分)
10 免疫(2) ・アレルギーの概要 ・自己免疫疾患とは ・免疫不全症とは 我々の体のアレルギー反応について調べる。(60分)
11 炎症・感染症 ・炎症と感染症の概要 ・細菌感染とは ・ウイルス感染とは ・プリオン病とは 我々の体の炎症反応と感染症について調べる。(60分)
12 放射線障害 ・放射線障害の概要 ・発がんとは ・放射線障害とは 我々の体の放射線障害と発がん現象について調べる。(60分)
13 腫瘍(1) ・ヒトがんの概要 ・腫瘍とは ・白血病とは ヒトのがんについて調べる。(60分)
14 腫瘍(2) ・脳腫瘍の概要 ・グリアとは ・脳腫瘍の分類とは ヒトの脳腫瘍について調べる。(60分)
15 老化と死 ・老化と死の概要 ・認知症とは ・高齢者とは ・老化とは ・死とは ヒトの老化と死について調べる。(60分)
成績評価方法
課題の提出が全てあることが前提である。その上で、期末試験60%以上が合格となる。
ただし、受験資格を満たしていない場合は評価の対象としない。
教科書
書名・著者(出版社) ISBNコード
標準理学療法学・作業療法学専門基礎分野病理学(第5版) 奈良勲(医学書院) 978-4-2600-4986-3
参考書
書名・著者(出版社) ISBNコード
人体の構造と機能(1) 林正健二(メディカ出版) 978-4-8404-5374-5
カラーで学べる病理学(第5版) 渡辺照男(医学書院) 978-4-8617-4075-6
はじめの一歩の病態・疾患学 林洋(羊土社) 978-4-7581-2085-2
教員からのメッセージ
参考図書の「人体の構造と機能(1)」はなるべく購入をお勧めします。授業では折に触れて人体解剖学の復習をしつつ病理学の授業を進めます。必ず、授業中に板書したことや授業内容は自分で授業ノートに取り、必ず、その日に説明した専門用語はその日の内に頭を整理して理解し、覚えるように心がけましょう。また、必ず、毎週出される課題プリントは自分で解き、授業内容の復習に心がけましょう。わからない場合や疑問が生じた場合には教科書にあたり、あるいは参考書その他の専門書などにあたって、まずは自分で調べてみましょう。
教員との連絡方法
メールが一番確実です。tatsuka@pu-hiroshima.ac.jp
実務経験のある教員
臨床医等(臨床系の国家資格(医師、看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士など)を有し、臨床系の勤務経験を有する者)