科目コード
E3101
授業科目名
子ども家庭支援論
担当者
田丸尚美/金田美幸
対象年度
2024
履修区分
教育課程表参照
開講期
3年
前期
授業回数
15回
単位数
2単位

授業の概要
保育者として今なぜ家庭支援が求められているか理解するために、保育という行為を子育ての営みという大きな視野から捉えなおし、家庭支援の枠組みを明らかにする。
児童の最善の利益にたった家庭支援を追求するために保育者に求められるスキルとして、子どもと家族のアセスメント、支援計画、支援の実際と評価等、実践事例を通して学ぶ。保護者の生活問題や育児の不安、児童虐待などの養育問題への対応の原則と技法を学ぶ。
DPとの関連
①平和を希求し、その教育に努め、幸せな人生を創造しようとする力を身につける
②人間愛のもと、ケアすることの意義を教育・保育の専門性において学び、専門的な知識・技術との統合を図る力を身につける
③修得した専門的な知識・技術を活用し、教育者・保育者として実践する力を身につける
④教育・保育者として、子どもの育ちや学びに関わる問題について時代の変化を見通して研究し、新たな価値の創造を図る力を身につける
⑤社会との連携を図り、人々の教育的・保育的ニーズや社会的ニーズに応えることができる力
※DP:ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)=卒業までに身に付けるべき資質・能力
到達目標
保育者に求められる家庭支援の意義と枠組みについて学び、社会状況の変化を踏まえ家族の生涯発達の見通しを得た上で、児童の最善の利益にたった家庭支援のあり方を実践的に学ぶことを目的とする。
履修上の注意事項
講義中の私語や携帯電話の使用は控えてください。
※コースによって「履修区分」が違います。教育課程表をよく確認してから、履修登録を行ってください。
授業計画
回数 講義内容【担当教員】 事前・事後学修
1 家庭支援の意義 〜保育と子育てを見渡して考える 【田丸尚美】 事前に、ここまでの保育の学び、見学実習等でふれた保護者の姿を振り返る。事後には、自身の幼少期に体験したエピソードを記述する。
2 家庭支援が求められる背景(1)社会の変化と家族の多様化 【田丸尚美】 事前に、教科書「家庭支援を支える法と制度」を予習しておく。事後には、児童福祉の理念の変化について課したレポートを作成する。
3 家庭支援が求められる背景(2)個人のライフサイクルの変化 【田丸尚美】 事前に、家族は社会の変容を受けてどう変化してきたか、資料をもとにレポートにまとめる。事後にライフサイクルアンケートに取り組む。 
4 家庭支援の枠組み(1)家庭支援の原理 〜児童の最善の利益をふまえて 【田丸尚美】 事前に、子どもの権利条約について調べる。事後に、家庭支援の理念についてブックスタート事業を通して考察するレポートに取り組む。 
5 家庭支援の枠組み(2)家庭支援の方法 〜ケアワークとケースワーク 【田丸尚美】 事前に、保護者からの訴え事例の演習課題に取り組む。事後に教科書のケースワーク論について読んで、学びを確認する。
6 家庭支援の枠組み(3)家庭支援の方法 〜事例を通してスキルを学ぶ 【田丸尚美】 事前に、教科書で紹介された事例を読んでおく。事後に、授業で身につけたスキルを使って事例分析を行ってレポートにまとめる。
7 家庭支援の実際(1)保育所における支援の観点  【田丸尚美】 事前に、講義前半の学びを振り返り実際の支援事例に臨む。事後に、家庭支援にあたって保育所が有する特性について教科書で確認する。 
8 家庭支援の実際 (2)さまざまな事例を通して学ぶ 【田丸尚美】 事前に、保育所における支援の観点を教科書の学びと併せて整理する。事後に、授業での演習を踏まえて自身で相談事例の分析をする。
9 家庭支援の実際(3)マルトリートメントを捉える 【田丸尚美】 事前に、児童虐待やマルトリートメントについて学んできたことを復習する。事後に、マルトリートメントが子どもに与える影響を整理する。 
10 家庭支援の実際(4)地域の中で取り組む家庭支援 【田丸尚美】 事前に、児童虐待問題について連携する地域の関係機関を調べる。事後に、連携の中で保育所が担う役割を事例を通して考察するレポートを作成する。 
11 保育者として実践する家庭支援~在園児の事例(育児不安) 【金田美幸】 事前に、教科書の子ども家庭支援の内容と対象を読んでおく。事後に、配布資料を基に育児不安への対応について復習する。
12 保育者として実践する家庭支援~在園児の事例(発達障害と医療的ケア) 【金田美幸】 事前に、教科書の保育所等を利用するこども家庭への支援を読んでおく。事後に、配布資料を基に発達障害や医療的ケアへの支援について復習する。
13 保育者として実践する家庭支援~在園児の事例(ひとり親家庭・外国籍家庭等) 【金田美幸】 事前に、教科書の家庭の状況に応じた支援を読んでおく。事後に、配布資料やチェックリストを基に保育者に求められる役割や見落としやすい家族状況について整理する。
14 保育者として実践する家庭支援~地域子育て支援事業 いーぐる見学(アドバイザーの関りから学ぶ) 【金田美幸】 事前に、課題事例を通して、いーぐるへ参加する親子の状況について考察し見学への準備を行う。事後には、いーぐるのアドバイザーの関りから学んだことを考察しレポートを作成する。
15 保育者として実践する家庭支援~地域の子育て家庭への支援(いーぐるを見学して) 【金田美幸】 事前に、いーぐる見学からの学びを考察する。事後に人権擁護のためのセルフチェックから「子どもを尊重する保育」について学びを確認する。
成績評価方法
試験60% レポート40%(いーぐる見学レポートは必須)

ただし、受験資格を満たしていない場合は評価の対象としない。
教科書
書名・著者(出版社) ISBNコード
子ども家庭支援論 第2版・児童育成協会・松原康雄(中央法規) 978-4-8058-8788-2
参考書
書名・著者(出版社) ISBNコード
教員からのメッセージ
毎回の配布資料を自分なりに管理しましょう。授業後に講義レジメや資料、ノートを読みかえしてみてください。
教員との連絡方法
オフィスアワーに研究室を訪ねてください。
実務経験のある教員
金田美幸(公立保育園において、保育士及び園長として医療的ケア児保育、障害児保育、児童虐待対応、育児相談、苦情対応等の経験を活かし、具体的な事例を通した講義を行う。)
田丸尚美(市の保健センター、発達支援センター、家庭支援センターで、心理士として保護者からの相談に応じてきた経験をもとに、保育者として家族や保護者に関わる上で踏まえたいことを実践的に講義する)